お茶に関する素朴な疑問 (お茶のコラムNo2)
お客様から寄せられたお茶に関する素朴な疑問の話あれこれです。軽く読み流していただければ幸いに思います。宜しくお願いします。
【玄米茶は玄米を使用していない?】
玄米茶は使用する茶葉よりもブレンドする玄米の品質が重視されます。玄米茶だけど玄米は使用しません。玄米は米ぬかの臭いが強く、使用出来ません。原料はうるち米、もち米を精白して水洗いします。そしてせいろで十分蒸します。次に早急に冷やして固まらないように注意して十分乾燥させます。そして焙煎機で表面が狐色になるまで丁寧に焙じます。優良品は表面が平均に狐色になり光沢が出ます。上質玄米茶はもち米を使用しますが、一般の玄米茶にはうるち米が使われることが多いです。【お茶は高いか】
良いお茶は高いと云われますが本当でしょうか?上級なお茶は100g1000円以上しますが、ブレンドコーヒーは100g300~400円です。重量あたりで計算するとお茶の方が高いですが。一杯あたりのコストではどうでしょうか? お茶は一杯あたり茶葉を3gほど使います。100g1000円のお茶だと30円になります。コーヒーは一杯あたり10gの豆が必要なので100g300円のコーヒーなら30円になります。コストだけでは同じですが、良いお茶は3~4煎おいしく飲めますので30円÷3=10円になり、よいお茶でも決してお高くなりません。

【緑茶の色は茶色?】
日本人は色を表現するのに自然界に有る物の色をそのまま云います。桃色、うぐいす色、空色、水色、灰色などなど・・・それらに対して赤色、緑色、黄色などは元々中国の漢字を意味する言葉を使っています。それでは本題に戻りますが緑茶は急須で入れてもキレイな緑色をしていますが、こぼれたお茶などを拭いた布巾を暫くおくと色が褐色になります。その色がまさに茶色になります。あと一つ理由をあげると昔から庶民が飲んでいたお茶は茶葉を摘んで直に釜に入れて炒ります。そしてすぐむしろなどに広げてさまして天日で乾燥させます。できたお茶は黒っぽい色をしていたそうです。お湯で出しても赤かったり、黄色をしていたり決して緑色に出なかったそうです。その長い歴史的な流れの中で茶色という色の概念が定着したと考えられます。今のようにキレイな緑色のお茶の作り方(茶葉を蒸気で蒸して乾燥して仕上げる製造方法)は江戸時代の中期以降だそうです。
【お水でお茶の味が変わる?】
昔からお茶には軟水が良いと言われてきました。水の硬度は、水に含まれるカルシウム塩とマグネシウム塩の総量を炭酸カルシウムの量に換算し直して示します。水1リットル中に炭酸カルシウムが1mgあるものを硬度1とします。そして、硬度200以上を硬水、硬度100以下を軟水と呼んでいます。日本の水の硬度は20~80程度のものが多く、ヨーロッパの水は200~400のものが多いようです。また、沸騰させると硬度が下がる一時硬水と、ヨーロッパの水のように沸騰してもあまり下がらない永久硬水とがあります。軟水でお茶を入れると、茶の成分がよく抽出され、旨味、渋味、苦味がバランスよく出て、日本茶本来の味を引き出します。しかし、硬度が低すぎる(10以下)と苦渋味を強く感じるようになり日本茶には適さなくなります。日本茶には硬度50~80程度の水が適しています。お茶は水によりビックリする程、味が変わることがあります。違うお水でお茶を味わうのも日本茶の楽しみ方のひとつです。ただし、硬度が高すぎると、味は淡白になり、水色は無色に近くなります。紅茶では軟水がよく、300程度の硬水だと水色が暗色になります。ウーロン茶はどんな水でも影響は受けにくいようです。結論は日本の水は各種のお茶に相性がよいといえます。