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お茶のミニ知識~いろんな品種

いろんな品種のお茶

品種茶のイメージ

【山の息吹】
■来歴 「やぶきた」の実生から選抜しました。良い物の少ない早生品種の中「山の息吹」は樹勢が強く、耐寒性も「やぶきた」程度で適応地域も広く香味に富んだ早生品種です。
■早生品種ですが水色、香気、滋味に優れています。特に新緑を感じさせる軽やかな香気に、渋みも少なく旨みも十分あります。
■静岡県中川根町の山間地から収集された早稲品種のため、緑の山々に囲まれた中を新緑の風がいち早く萌え出した茶芽を吹き抜ける爽やかさと新たな息吹が茶業界に起こることを願って命名されました。

【おくひかり】
■来歴 「やぶきた」×「静Cy225」。晩生品種で耐寒性と炭そ病に強く、品質面では濃緑な色沢ときわめて優れた水色、そして濃厚で個性的な香気を持ちます。 
■外観の形状は剣のたった堅くしまった茶になりやすく、色沢は濃緑で冴えた光沢が有ります。香気は「やぶきた」とは違った香りを持ち水色は明るく、きわめて良好です。滋味はソフトですがやや渋みを感じ清涼感が有ります。山間地で栽培された物は渋みが少なくなります。
■「おくひかり」は晩生種であること、葉が濃緑色で非常に光沢が有るとともに山間地にむく特性のため山間地茶業の光明となることを期待して命名されました。現在、川根本町では「おくひかり」 のブランド化に取り組んでいます。

【つゆひかり】
■来歴 「静7132」×「あさつゆ」。炭そ病にきわめて強く、耐寒性にも優れ樹勢の強いやや早稲品種です 品質は優秀で特に光沢、水色が秀逸です。
■色沢は明るい緑色で、爽やかな香気を有し、滋味は温和でバランスがとれています 特に水色が優れ、きれいな緑色をしています。
■天然玉露と云われる父親の「あさつゆ」から「つゆ」をとり、静岡県茶業に光明を与える品種になることを期待して「つゆひかり」と命名されました。

【香 駿】
■来歴 「くらさわ」×「かなやみどり」。多収性で、耐寒性が有り、製品の形状が細よれしやすく、香気に特徴の有る品質優秀な中生品種です。新しい感覚の品種です。
■形状は細よれで良好であり、香気は持続性のある清涼感を持ち「やぶきた」とは明らかに異なる特徴的な香気を持っています。滋味は渋みと旨みの調和がとれ、豊かな香りを持っています。 大部分の方が「やぶきた」との違いを識別できます。この香味をセールスポイントにすることも出来ます。
■駿河の国で育成され「やぶきた」とは異なる優れた香りを持っていることから命名されました。

【さえみどり】
■来歴 「やぶきた」×「あさつゆ」。今栽培面積の増えている評判の早稲品種です。「やぶきた」より4日~1週間早く、走り新茶としてふさわしい香りと味がしています。
■「さえみどり」の魅力はなんといってもその優れた品質に有ります。外観は色沢が明るい冴えた鮮緑色です。香気は上品な芳香です。滋味は渋みが少なくうま味が有ります。早生品種の中で抜群で両親の「やぶきた」、「あさつゆ」と比較しても少しもひけをとりません。
■色沢が鮮緑色で冴えが有り、新葉の鮮やかな緑とともに「さえみどり」という名前の由来になりました。

【おくみどり】
■来歴 「やぶきた」×「静在16」。樹勢が強く、栽培や製茶が容易で外観が細よれしやすく色沢は濃緑色で香味に優れた晩生品種です。
■製茶品質は外観は細よれしやすく、色沢は濃緑色で香味は爽やかですっきりしていて良好です。特に個性的な品種では有りませんが欠点や癖がなく使いやすい品種。
■待望久しい優れた晩生の緑茶品種という意味で「おくみどり」と命名されました。 最近は南九州を中心に増加傾向にあります。

【めいりょく】
■来歴 「やぶきた」×「やまとみどり」。丈夫で作りやすい品種です。多収で香味は清涼感があり爽やかです。育成後16年栽培面積を伸ばしています。
■芽の伸び、揃いがよく、安定してかなりの多収が期待できます。品質は育成当時はうま味が少なく、味が薄いのではないかと心配されましたが逆にそれが癖がなくすっきりしていると現代の嗜好に合っていると良い方に評価されています。
■品種特性の明るい緑と云う意をこめて命名されました。摘採時期が遅れると色沢が笹色となり、品質が低下する。

【ふうしゅん】
■来歴 「Z-1」×「かなやみどり」。栽培特性が安定していて、耐寒性が良く、広い地域に適応出来る晩生品種です。
■一番茶の品質は、新芽の色が少し濃いため、色沢が黒みを帯びやや劣ります。 香気、水色、滋味は大きな欠点なく二番茶、三番茶とも品質は良好です。
■「ふうしゅん」は漢字で書けば「富春」です。新春の満ち足りた香味に因むとともに多収性を生かして茶業経営を豊かに富ませる品種になるようにとの願いを込めています。

茶摘みのイメージ

【さやまかおり】
■来歴 「やぶきた」の自然交雑実生から選抜したもの。多収性で耐寒性で製品は形状が細よれしやすくて、香気に特徴のある品質秀逸なやや早生品種です。消費の多様化に伴い新たなユーザーにも愛されるかもしれません。
■色沢はやや黒みを帯びやすく、滋味は苦渋味が出やすいが、特徴的な強い香りを持っている。
■埼玉県狭山市で育成され香りの強い品種で有ることから命名されました。

【やまかい】
■来歴 「やぶきた」の実生から選抜しました。夏茶の品質が良く被覆栽培との相性の良さからかぶせ茶生産地では根強い人気が有ります。
■「やぶきた」と比較して、形状と色沢が良好です。内質は濃厚さに欠けるが苦渋味が少なく、うま味が有り、覆下茶用としての適正が有ります。又「やぶきた」と比較して、二番茶、三番茶がきわめて良い傾向が有ります。
■新芽や製茶が山の茶らしいことから山峡(やまかい)と命名されました。

【かなやみどり】
■来歴 「S-6」×「やぶきた」。かなやみどりは土地を選びますが病気に強く、芽立ちも良好で外観、内質とも優れています。
■煎茶の品質としては外観がやや濃い緑色で、水色は濃く香味に特色有り内質は優れています。
■「やぶきた」に匹敵する優良品種として多くの候補名があげられましたが金谷においてすばらしい煎茶用品種が育成されたと言うことで「かなやみどり」と命名されました。

【あさつゆ】
■来歴 「宇治在来種から選抜」。「あさつゆ」は静岡県金谷の農水省茶業試験場で宇治種からの実生選抜として,1953年に茶農林2号として登録されました。「あさつゆ」は中生種ですが,感覚的には早生です。一番茶はおおよそ4月20日前後に摘みとられます。中生種ですが遅霜の被害にあいやすく,また,栽培面積あたりの収量が少ないので,生産家は栽培したがりません。
■たいへん品格のある独特の香り,味は甘くさっぱりしており,水色(すいしょく)は素晴らしい水色です。まさに,天然玉露とも言われています。

【藤かおり】
■来歴 「藤かおり」は藤枝市の森薗市二と小柳三義両氏により、「静印雑131」と「やぶきた」の交雑実生から選抜育成され、平成8年に種苗法による品種登録がされたものです。
■「藤かおり」は「やぶきた」より2~3日早いやや早生種で、樹姿は開帳型、樹勢の極めて強いものです。成葉は片親の「静印雑131」に似て、先端長が短く長卵形で、葉色は濃緑です。摘採期の茶芽は大きく、百芽重の大きなものです。収量性は「やぶきた」並で、耐寒性の裂傷型凍害には弱く、耐病性の炭そ病や輪斑病には強いものの、赤焼病には極弱のものです。
■外観は「やぶきた」より肉太で、やや黒みを帯びた濃緑色となります。また香気は極めて高く、ジャスミン様の芳香があります。滋味は、濃厚でこく味もありますが、苦渋味も少なからず残ります。また、化学成分的にも、アミノ酸・カフェイン・カテキン含量とも多く、インパクトの強い味となります。
■樹勢は極めて旺盛ですが、定植直後には主幹から分枝する枝数が少なく、枝張りが粗となりやすいため、幼木期の仕立てに注意する必要があります。また、赤焼病や裂傷型凍害にも弱く、防寒はもちろんのこと、防風対策や防除にも注意が必要です。

【はるみどり】
■来歴 「かなやみどり」×「やぶきた」。樹型は母親の「かなやみどり」に似てやや開張型です。このため幼木期に特に低くせん枝しなくても株張りの良い茶園が出来ます。早晩性は「かなやみどり」より2~4日遅く、「やぶきた」よりも六日程度遅い晩生種です。生葉収量は「やぶきた」に比べて多収です。幼木期は生育がやや緩慢なため収量性は高くありませんが、成園化するに従って樹勢が強くなり、収量増加が著しい。一般的に一番茶多収型の品種です。
■この品種は秋の芽止まりが早いため秋芽の伸びが少ないのが特徴です。これにより秋整枝が「やぶきた」よりも通常1~2週間早く行うことが可能です。また、裂傷型凍害に非常に強く、通常は全く心配する必要がありません。耐病性は輪斑病には弱ですが、その他の病害では特に目立つものはありません。耐虫性ではクワシロカイガラムシに対する抵抗性はありませんので注意が必要です。
■煎茶品質が極めて良好です。外観は色沢が鮮緑色で、葉が柔らかいために形状も良好です。成分的には一番茶でアミノ酸が四%を越え、タンニンが10~11%と低いのでうま味が強く、渋みの少ないのが特徴です。香気は「やぶきた」と異なる芳香があります。新芽は手触りが特に柔らかく、出開度が進んでも硬化が遅いため品質低下の小さい品種です。

茶摘みのイメージ

【りょうふう】
■来歴 「ほうりょく」×「やぶきた」。挿し床での発根、生育は良好で、育苗が容易です。定植後の活着、生育も良好で、樹高、株張りともすぐれます。樹姿はやや直立型で、仕立ては容易、機械化栽培に適しています。耐寒性は強いですが、裂傷型凍害に対する抵抗性は「かなやみどり」より少し劣ります。耐病性に対する抵抗性は、炭そ病に対してはやや強、輪斑病に対しては強で、「やぶきた」より強いです。
■萌芽期は「やぶきた」より4日遅い中晩生です。一番茶の収量は「やぶきた」より多収です。一番茶品質は、色沢が明るい緑色で、水色は透明感があり、渋味は強くうま味があり、すっきりとして良好です。渋味もほどほどにありますが、うま味とのバランスがいいです。二・三番茶とも「やぶきた」より多収で品質も良好です。

【さわみずか】
■来歴 「やぶきた」×「ふじみどり」。荒茶の形状は細く、色沢は濃緑で良好ですが、やや赤みを帯びることもあります。 香気は、「やぶきた」と異なり、清涼感のある良い香りを持ち、水色も「やぶきた」と遜色ないものです。滋味はやや渋味が感じられ、爽やかさとともに、こく味のあるものです。 また、茶商さんからは長所として色沢が特に良く、香気と滋味は「やぶきた」と遜色なく良好で、市場性は高いと評価されています。短所としては、摘採時期が遅く、ややもすると「ふじみどり」の香りが出ることなどが指摘されました。
■樹勢が旺盛で、樹姿が開張型、初期生育も優れるため、幼木期からの仕立ては容易です。しかし、晩生種にも関わらず裂傷型凍害に弱いため、幼木期には防寒に注意する必要があります。
■「さわみずか」は新芽が細く、製品の形状は良好、色沢も濃緑ですが、赤みを帯びることがあります。その時には、蒸熱時間をやや長くし、粗揉工程の茶温を低くすることで対処します。水色は、普通蒸しの場合、やや赤味を帯びることがあります。少し深蒸しにすると、きれいな緑色になります。
■「さわみずか」は、「やぶきた「と組み合わせ栽培できる多収型の晩生種です。耐寒性は「やぶきた」程度ですが、炭そ病には強く、樹勢も優れるため温暖地域の山間地、平坦地の機械化栽培体系下での品種組み合わせ栽培に適したものです。

【しゅんめい】
■来歴 「ゆたかみどり」×「たまみどり×S6」。挿し木発根性は良く、定植後の活着も良好です。幼木期、成木期とも樹勢が強く、生育は旺盛です。耐寒性は強いです。耐病性は、炭そ病抵抗性は、中からやや強、輪斑病抵抗性は強で「やぶきた」より強いですが、幼木期には赤焼病の発生が見られることがあるので注意が必要です。樹姿は中間型で、株張りが良く、幼木期の剪枝は「やぶきた」のように、低く抑える必要はありません。
■金谷での萌芽期及び摘採期は「やぶきた」より4~6日早いです。一番茶の収量は、晩霜害を受けない場合は、「やぶきた」と同等か多収です。一番茶の品質は、形状はよく締まり、色沢は緑が濃く良好です。香気は温和です。滋味は、渋味が少なく、うま味があります。二番茶、三番茶は、「やぶきた」より多収で、品質は良好です。色沢は 緑が濃く、場合によっては黒みを帯びることがあります。また摘採が遅れると新芽が硬化しやすいので若芽摘みあるいは適期摘採が必要です。
■「しゅんめい」は、育成直後は品質優良な早生品種として注目されましたが、二年後に登録された「さえみどり」に追い越されてしまいました。「さえみどり」は確かに品質良好な品種ですが、栽培形質にはいくつかの問題点があり、普及適地は限られます。早生品種の中では、「しゅんめい」は栽培形質が良好で、収量は多く、広い範囲に適用できる品種です。萌芽期は「さえみどり」より少し遅いので、霜害を受ける心配はそれだけ少なくなりますし、受けた場合でも立ち直りが早いです。品質面では、色沢がやや黒味を帯びるために「さえみどり」には一歩及ばないが、早生で最も栽培面積が多い「ゆたかみどり」や他の早生品種と比べるとかなり良好です。

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